下村大輔(やる&たい)ノート

やる&たい=PLAY AND WANT

ケア報告書

ケア日時:5月5日
利用者名:T・M
行き先等:自宅〜多摩障害者スポーツセンタープール〜スーパーオオゼキ〜自宅
担当者:下村大輔
ケア記録:
13時、自宅へお迎えに行く。初対面の印象「大きいなぁ」
何度も目的地には行った事があるようで、電車の乗り換えも道順もわかっていてスムーズにたどり着いた。
途中、アセスメントの情報の通り、チラシをとる(一部だけ)、頻繁にトイレに行く行動が見られた。
あと、手の指先の皮を噛む癖が時々見られた。
着替えは完全に自立していた。
プールではにこやかな表情で、楽しんでくれているのかなぁと感じた。
僕の勘違いかもしれないのですが、女性の監視員さんにだけ笑いかけていた。
着替え終わり、お茶を飲みたいと言うのでペットボトルのお茶を買うと、一気に飲み干し、「お茶買うお茶買う」ともう一本欲しがったが、
アセスメントの通り、「一本だけで終わり。」と言うが、言う事を全然聞いてくれなかったが、「オオゼキに買い物に行こう!」(予定で決まっていた)と誘うとなんとか諦めてくれた。駅に向かう途中も自動販売機がある度に「お茶買うお茶買う」と言ってきたが「オオゼキオオゼキ」とごまかした。
すると今度は「オオゼキ買い物行く」を繰り返していた。
プラットホームで電車を待っている時、股間いじりが見られたが「ダメ」と言うとすぐ止めて、その時以外はなかった。
電車の中ではちょっと口笛を吹いた。そんな利用者さんは初めてだったので驚いた。
最寄り駅に着き、目的地のスーパーオオゼキに行った。
慣れた様子でカゴを取り、まず目指したのがイカ売り場。(あとでお母さんに聞いたのだが大好物なのだそうです)
結局、イカ、お弁当、冷やし中華とんがりコーンを次々カゴに入れて5番のレジへ(いつも5番だそうです。おもしろい)
アセスメントの情報通り、ちょうど千円でなんとか収まった。
が、スーパーを出て家に帰るのかと思いきや、今度は向かいのパン屋に向かっていくではありませんか。
なんとか止めようとするが相手は180センチ80キロ、力が半端じゃない。ずるずる店の中に引きずられて行き、
それからもみ合いへし合い。「パン買うパン買う」「ダメダメ」あっと言う間にトレイと挟むものを手に取り、今にもカレーパンに手が届きそうです。
狭い店内二人の男がパンを取るのか取らせないのかバタバタやってます。
挟むものは力で広がってしまいました。こっちも必死あっちも必死でした。なんとか取られない様に踏み留まっていた時、僕の脳裏に浮かんだのは(パンぐらい、俺のお金で買ってあげたらええんちゃうん)
油断しました。彼は挟むものを使わずに素手でパンをつかみました。僕の負けです。
帰り道、彼は意気揚々と僕はしょんぼり歩きました。
自宅にたどり着き、お母さんに報告しました。
パンの事は大丈夫でした。「私もいつも絶対とめられないのよ〜」と明るくおっしゃられていたので少し救われました。
そんな一日でしたが、一番印象的なのは
「はあぃ」など、よく通る声がとてもかわいかったです。
おしまい



下村大輔   yaruandtai@gmail.com
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