小学生のぼくは三年生です。
クラスの担任の上野先生は背がたかくてやさしくておもしろくて、みんなの人気者です。
ぼくも大好きです。
ある朝、いつものように学校へ行きました。
朝の朝礼の時間に上野先生じゃなくて校長先生が教室に入ってきました。
校長先生はみんなの顔を見て、すこし間をおいてから話しだしました。
「みなさんに、悲しいお知らせがあります。」
「実は、昨日の夜、上野先生が交通事故にあって天国にいかれました。」
みんな、びっくりしました。
「みなさん、上野先生がちゃんと天国に行けるようにお祈りしましょう。」
みんなでお祈りをしていると、一人の女の子がしくしく泣きだしました。
まわりのみんなも泣きだしました。
校長先生も泣きだしました。
教室の中が泣き声でいっぱいになりました。
ぼくは悲しかったけど、泣きませんでした。
ぼくはみんながどうして泣いているのか、わかりませんでした。